私は審美治療を考えるとき、「どれだけ変わるか」とともに「何をそのまま残すか」を思い浮かべます。歯の小さな特徴をすべてなくせば自然になるわけではないからです。患者さんが気に入っている部分を守り、長く気になっていた部分を必要なだけ変える治療をしたいと思っています。

歯を明るくしたい気持ちと、目立つ変化は望まない気持ちは両立します。整って見せたい一方で、歯を大きく変えることに不安があるかもしれません。私はそのどちらかを先に諦めていただきたくありません。期待する姿と残すべき歯の条件を一緒に考えることから、審美治療の方向が始まると思います。

診療中のウォン・ソユン首席院長
診療中のウォン・ソユン首席院長

自然さは、全員に同じ形を意味しません

私にとって自然という言葉は、一つの色や歯の形を指しません。前歯の見える量、先端の輪郭、隣の歯とのつながり、唇と歯肉の関係が一緒につくる印象です。ごく小さな違いも、笑顔全体の中では違って感じられることがあります。

だから、一本の歯だけを見たときの整った形を唯一の基準にしたくありません。笑ったり話したりするとき、その方にどう似合うかを考えます。すべての歯を同じ長さ、同じ輪郭にすることが自然さの唯一の答えだとも思いません。残す特徴にも理由があり得ます。

患者さんと医療者の言う自然さが同じだと、初めから決めつけないことも大切です。今の色を残して先端だけ整えたい方もいれば、形を大きく変えず全体を明るくしたい方もいるでしょう。望む変化を具体的に知ってこそ、どこに小さな違いを加えるかも決められると考えます。

色の悩みと形の悩みを、まず分けます

歯が気に入らないという言葉には、さまざまな悩みが含まれます。色が暗く見えることと先端の欠けは違い、歯の隙間と歯並びの悩みも違います。原因が違うのに治療名から決めると、必要な変化より大きな治療を考えてしまうかもしれません。

ホワイトニングは歯の色を変える方法ですが、すべての変色に同じ反応を期待できるわけではありません。また、既存のクラウンやベニア、詰め物を天然歯と一緒に明るくする方法でもありません。色の悩みでも、どのような天然歯と修復物があるかを先に理解する必要があります。明るくした後も、周囲との調和が必要だからです。 [3]

歯の模型を使って説明するウォン・ソユン歯科医師

歯の模型を使って説明するウォン・ソユン歯科医師

ラミネートベニアは歯の前面を覆って形や色を変える治療で、直接レジン修復は歯に材料を加えて必要な部分をつくる方法です。異なる方法なので、変える範囲と現在の歯の状態を併せて判断する必要があります。私は一つの方法を、すべての審美的な悩みの答えとして示したくありません。問題を分けてこそ、方法も具体的に話し合えます。 [2][4]

変える量を抑えるために、まず十分に調べます

歯を保存するという言葉は、治療を小さく聞こえさせるだけの表現であってはならないと思います。実際にどの構造を残せて、希望する変化のために何を変える必要があるかを調べる過程が必要です。天然歯をできるだけ残すことは、ソウルイド歯科が審美治療で大切にする基準でもあります。 [1]

ベニア治療では歯の表面のエナメル質を削る場合があり、削った部分を元の状態には戻せません。そのため、完成する形と同じくらい、歯に加わる変化にも真剣に向き合う必要があります。見た目の良い結果を説明しながら、そのために変わる部分を小さく伝えたくありません。治療を決める際に、両方を理解できることが大切です。 [2]

変える量が少ない治療と、条件を問わずできる治療は違います。歯の位置、損傷の程度、噛み合わせによって適切な方法は変わります。希望の形をそのままつくることが今の歯の負担になるなら、目標や方法を考え直す必要もあります。治療範囲を決める前に、残せる部分と必要な変化を十分に比較したいと思っています。

色と形を一緒に変える場合は、順序も大切に考えます。天然歯と既存の修復物は同じように色が変わらないため、今決める色が後の計画にどうつながるかを見る必要があります。一部を先に終えることより、全体の変化をどの順序でつくるかを整理することが必要です。私の考える丁寧さには、こうした計画の順序も含まれます。 [3]

小さな修復でも、表面と境界まで考えます

レジンで必要な部分を足す治療では、埋まった大きさだけを見ないようにしたいと思います。歯につながる輪郭、表面の仕上げ、周囲との色の調和まで一緒に見たいのです。小さな範囲の治療だからといって、結果に向き合う基準まで小さくなってはならないと思います。

レジンは歯の色に近い材料で、小規模から中程度の修復などに使われます。部位と必要な範囲に応じた判断が必要で、処置中に歯を清潔で乾燥した状態に保つことも大切です。短く簡単に見える処置にも、材料を置く土台や過程への配慮があります。私はその過程と結果の形を、別々には考えません。 [4]

診療に集中するウォン・ソユン歯科医師の横顔

診療に集中するウォン・ソユン歯科医師の横顔

材料によって利点や管理すべき点も違います。レジンのベニアは損傷時に比較的修理しやすい場合がありますが、着色や摩耗への特性は陶材と同じではありません。可能な変化だけでなく、その後に必要な確認や管理も考えたいと思います。小さな治療を選ぶことと、後の管理が不要であることは別です。 [2]

健康な土台の上で、望む変化を探します

審美治療では、先にむし歯や歯肉の問題に対処する必要がある場合があります。健康でない歯をベニアで覆っても、土台の問題は解決しません。見た目を変えたい気持ちを理解しながら、必要な治療の順序を明確に説明したいと思っています。先に見るべき問題を見過ごせば、望む変化の土台も不安定になりかねません。 [2]

食いしばりや歯ぎしり、深い噛み合わせも、ベニア治療を判断する際の条件です。同じ形を望んでも、同じ方法が適するとは限りません。私は最初に期待した治療をそのまま進めることより、その方の条件で適切な選択を探すことを大切にしています。必要に応じて別の方法や目標の調整を話し合うことも、治療の一部です。 [2]

こう説明するとき、患者さんが美的な悩みを軽く扱われたと感じないでほしいと思います。希望の姿を話すことは、治療の出発点として十分に大切です。医療者の役割はその期待を一方的に評価することではなく、健康と機能も考えながら、可能な変化を具体的に探すことだと考えます。

歯だけでなく、その方の笑顔が印象に残ってほしい

私は審美治療後の暮らしも思い浮かべます。明るく笑う瞬間だけでなく、食事や歯磨き、会話という普通の時間です。ベニアの後も周囲にむし歯が生じることがあり、材料の破損や摩耗によって修理・交換が必要になることもあります。変わった歯をどう手入れするかの理解も、治療に含めるべきです。 [2]

結果に対する私の基準と、患者さんが望む変化が同じ方向を向いているかも、引き続き大切です。医療者が細かく整えたい部分と、患者さんが最も気にする部分は違うかもしれません。小さな違いへの集中が、患者さんの期待を見失う頑固さにならないようにしたいと思っています。

良い審美治療の記憶が、「歯を大きく変えた」という印象だけにとどまらないでほしいと思います。変えたかった部分を十分に話し、残す部分と変える部分を理解して選べた経験も残ってほしい。その方に似合う特徴を守りながら、必要な変化を丁寧に加えること。私が考える自然な笑顔は、そこから始まります。

写真 · ソウルイド歯科

コラムの構成

医療者の診療分野と医院の診療理念をもとに、編集部が一人称で構成したコラムです。

参考資料・出典

  1. ソウルイード歯科医院 · ブランドガイド・提供されたブランドストーリー (新しいタブで開きます)

    医院提供のブランドガイドに記載された名称、価値観、診療理念。

  2. 米国歯科医師会 ADA · Veneers (新しいタブで開きます)

    ベニアの材料と装着過程、歯への変化、その後のケアについての患者向け案内。

  3. 米国歯科医師会 ADA · Teeth Whitening (新しいタブで開きます)

    ホワイトニングの適用と限界、天然歯と既存の修復物の色の変化の違いに関する患者向け資料。

  4. 米国歯科医師会 ADA · Tooth-Colored Fillings (新しいタブで開きます)

    歯の色に近いレジン修復の用途と特性、清潔・乾燥した処置環境、その後の管理に関する患者向け資料。

編集 · DoctorInsight編集部
コンテンツ編集方針 ↗